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2008.07.25
知財の仕事(2) 〜特許出願〜
知財の仕事、今回は「特許出願」について考えてみます。
社内の開発チームがある新製品を作りました。
その製品には従来に無い技術が盛り込まれています。
さて、この新技術を特許として出願してみましょう。
社内の開発チームがある新製品を作りました。
その製品には従来に無い技術が盛り込まれています。
さて、この新技術を特許として出願してみましょう。
「市場から排除する」「ライセンス収入を得る」「クロスライセンス」
競合他社に対して何かしらの権利行使をすることを前提に考えれば
(特許証を壁に並べて満足感に浸る、という会社もあるようですが)
他社の考えそうな事をどれだけ多く自社権利の範囲内に組み込めるか
がポイントです。
良くある例を挙げます。
「丸い鉛筆は机の上で転がって不便なので六角形の鉛筆を作った」
技術者から出てくるのは
■「外形を六角形にする」というアイデア
■「机の上で転がらない」という目的
これを元に、どう特許として出願するか?というのが知財の仕事です。
新米知財担当Aは「外形が六角形の鉛筆」として出願しました。
この権利を取れれば他社は六角形の鉛筆を販売することが出来ません。
しかし、四角形の鉛筆を販売されたら権利行使は出来ません。
中堅知財担当Bは「外形が多角形の鉛筆」として出願しました。
この権利が取れれば四角形も、さらには三角形も五角形も、
カクカクした鉛筆に対しては権利行使することが出来そうです。
これで他社の参入を完璧に防ぐことは出来るでしょうか?
いやいや、まだ甘いです。
ビジネスの世界は真剣勝負、競合も必死です。
このレベルでは確実に権利範囲外の「机の上を転がらない鉛筆」が出てきます。
皆さんは多角形以外で何か思いつきますか?
ベテラン知財担当Cはこう出願しました。
「鉛筆芯の中心から外形表面までの距離が一定ではない鉛筆」
一気に小難しい表現になりましたが、
この書き方だと六角形はもちろん、三角四角の多角形も含まれ、
さらには「楕円」とか「表面が凸凹」など、
定義から考えれば真円以外の全ての形状の鉛筆が含まれることになります。
(現実的にはこの表現は漠然とし過ぎているので
具体的な形(多角形とか楕円とか)を列挙していくことになります)
Cさんの考え方、前2つの権利範囲に比べれば
かなり他社をブロックできる権利になっているのでは無いでしょうか?
他者の考えそうなことをどれだけ自社権利の範囲に含められるか
=「机の上で転がらない」という目的を達成する手段をどれだけ見つけられるか
技術者から出てくるアウトプット(製品だったり機能だったり)は同じです。
しかし、
同じものを見てどんな発明として出願するかは知財担当によって変わってきます。
ここが知財担当の腕の見せ所です。
・技術者が創り出したアイデアの枠(範囲)を広げる頭の柔らかさ
・広い、ある意味漠然とした権利を取得するための論理の組み立て
・広い範囲の権利を手に入れるためのコトバの使い方
発想力、論理力、ボキャブラリー、人の脳の持つ機能をフルに使って
どれだけ「使える権利」を取得するか、がこのフェーズの醍醐味かと思います。
特許出願の魅力、少しでも伝われば幸いです。
※1
特許出願に関してはもっと具体的に詳細に書いていきたいと思ってますが、
今回は仕事のおもしろさを伝えることを意識した結果、上の内容となりました。
範囲を広げる手法なども後日まとめて紹介したいと思ってます。
※2
本例は発明協会東京支部主催の「特許実務者養成夜間講座」の内容を参考にしています。
(伝えたい事が伝わりやすいように内容は一部変更しています)
※ 関連ページ
知財の仕事(1) 〜特許に関する4業務〜
知財の仕事(2) 〜特許調査〜
知財の仕事(2.1) 特許調査の裏側 〜IPDLは宝の山や〜
知財の仕事(3) 〜特許出願〜
知財の仕事(3.5) 〜審査請求〜
知財の仕事(4) 〜中間処理〜
知財の仕事(5) 〜権利行使〜
知財の仕事(6) 〜権利妨害〜
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競合他社に対して何かしらの権利行使をすることを前提に考えれば
(特許証を壁に並べて満足感に浸る、という会社もあるようですが)
他社の考えそうな事をどれだけ多く自社権利の範囲内に組み込めるか
がポイントです。
良くある例を挙げます。
「丸い鉛筆は机の上で転がって不便なので六角形の鉛筆を作った」
技術者から出てくるのは
■「外形を六角形にする」というアイデア
■「机の上で転がらない」という目的
これを元に、どう特許として出願するか?というのが知財の仕事です。
新米知財担当Aは「外形が六角形の鉛筆」として出願しました。
この権利を取れれば他社は六角形の鉛筆を販売することが出来ません。
しかし、四角形の鉛筆を販売されたら権利行使は出来ません。
中堅知財担当Bは「外形が多角形の鉛筆」として出願しました。
この権利が取れれば四角形も、さらには三角形も五角形も、
カクカクした鉛筆に対しては権利行使することが出来そうです。
これで他社の参入を完璧に防ぐことは出来るでしょうか?
いやいや、まだ甘いです。
ビジネスの世界は真剣勝負、競合も必死です。
このレベルでは確実に権利範囲外の「机の上を転がらない鉛筆」が出てきます。
皆さんは多角形以外で何か思いつきますか?
ベテラン知財担当Cはこう出願しました。
「鉛筆芯の中心から外形表面までの距離が一定ではない鉛筆」
一気に小難しい表現になりましたが、
この書き方だと六角形はもちろん、三角四角の多角形も含まれ、
さらには「楕円」とか「表面が凸凹」など、
定義から考えれば真円以外の全ての形状の鉛筆が含まれることになります。
(現実的にはこの表現は漠然とし過ぎているので
具体的な形(多角形とか楕円とか)を列挙していくことになります)
Cさんの考え方、前2つの権利範囲に比べれば
かなり他社をブロックできる権利になっているのでは無いでしょうか?
他者の考えそうなことをどれだけ自社権利の範囲に含められるか
=「机の上で転がらない」という目的を達成する手段をどれだけ見つけられるか
技術者から出てくるアウトプット(製品だったり機能だったり)は同じです。
しかし、
同じものを見てどんな発明として出願するかは知財担当によって変わってきます。
ここが知財担当の腕の見せ所です。
・技術者が創り出したアイデアの枠(範囲)を広げる頭の柔らかさ
・広い、ある意味漠然とした権利を取得するための論理の組み立て
・広い範囲の権利を手に入れるためのコトバの使い方
発想力、論理力、ボキャブラリー、人の脳の持つ機能をフルに使って
どれだけ「使える権利」を取得するか、がこのフェーズの醍醐味かと思います。
特許出願の魅力、少しでも伝われば幸いです。
※1
特許出願に関してはもっと具体的に詳細に書いていきたいと思ってますが、
今回は仕事のおもしろさを伝えることを意識した結果、上の内容となりました。
範囲を広げる手法なども後日まとめて紹介したいと思ってます。
※2
本例は発明協会東京支部主催の「特許実務者養成夜間講座」の内容を参考にしています。
(伝えたい事が伝わりやすいように内容は一部変更しています)
※ 関連ページ
知財の仕事(1) 〜特許に関する4業務〜
知財の仕事(2) 〜特許調査〜
知財の仕事(2.1) 特許調査の裏側 〜IPDLは宝の山や〜
知財の仕事(3) 〜特許出願〜
知財の仕事(3.5) 〜審査請求〜
知財の仕事(4) 〜中間処理〜
知財の仕事(5) 〜権利行使〜
知財の仕事(6) 〜権利妨害〜
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